PENTAX K-1、K-1 Mark IIの標準ズームレンズといえば、HD PENTAX-D FA 28-105mmF3.5-5.6ED DC WRか、あるいはこのHD PENTAX-D FA 24-70mmF2.8ED SDM WR。

私は稀に行うライティング撮影のために、開放F値が変動するタイプのズームはあまり積極的に選びません。描写自体は非常に優れており、コンパクトで非常に評判の良いレンズですけどね。

すると消去法でこのHD PENTAX-D FA 24-70mmF2.8ED SDM WRが常用レンズとなってきます。

まずは見た目を


太くてずんぐりして見えますが、もしかするとK-1の横幅がAPS-C機並みに狭いのも影響しているかもしれません。

他社の24-70mm F2.8ズームと比較すると、Canonのものよりは大きいけど、NikonのVR付きなんかは長さも非常に長かったので、まぁうまくまとまっているなというサイズ感。ただ、フィルター径は82mmと巨大です。

K-1に縦位置グリップを付けると、非常にバランスがよく感じます。あ、それは見た目のバランスであってK-1単体にこのレンズを付けた時の重量バランスはとても良いです。

世間ではあまり特徴のないレンズと言われているようですが、確かに使っていて新鮮な驚きとかは皆無です。AFもすごくスピーディーということもなく、とはいえ遅いということもなく。当然AF精度もFA Limitedレンズのようなボディ内AFでカプラー駆動のものとは比べるまでもんなく高い。

まぁ使っていて「すごい!!!」という驚きはないのですが、結局淡々と仕事をこなしてくれる頼れるレンズ、という結論になるのではないでしょうか。

前回の15-30mm F2.8の記事  に続いて、海外旅行に行った時にK-1 Mark IIでたくさん撮った写真の中から紹介してきます。

使えるシーンはとにかく多い

PENTAX K-1 Mark IIのカメラボディの描写性能の高さ、絵作りの巧みさと相まって、出てくる絵はとても高品位です。なんででしょう?あとで見返すととても良い写真が多いのに、撮影中にはあまり感動を覚えないという可哀想なこのレンズ。

大口径の標準ズームレンズの良いところは、画質に妥協はせずによく使う画角を網羅しているところです。

こういう光もきちんと拾い上げてくれる、懐の深さがあります。よくよく見ると壁面に生い茂った草の描写も素晴らしい。

光量の少ない条件下でも、一定水準以上の描写力を発揮するのは大口径ズームの非常に大きなメリットです。

このレンズは逆光にも強いです。光源が画面内やファインダー視野から外れたところにあっても、特にゴーストやフレアが気になるケースはありませんでした。夕日をPENTAX独自のホワイトバランス「CTE」で撮ろうとしたら真っ赤になり過ぎてしまいました、今回は「日陰」で現像し直したものを掲載しています。

古びた石造りの街並みを「曇天」や「日陰」のホワイトバランスモードで撮影すると、時間が止まったようなノスタルジックさが演出できて好きです。PENTAXは青空の描写がクリアでニュートラルな色温度で撮ることが多いてですが、たまにはくすんだ色合いも試してみてはいかがでしょうか。

こちらはコルフ島の中の、小島のような場所に建っている修道院。本当はここの真上あたりを通過するという飛行機を撮りたかったのですが、クルーズ船の寄港時間の兼ね合いで断念しました。

遠景の緑の描写力が非常に高いのはPENTAX K-1 Mark IIの利点からでしょうか?よく写っているなーと思うとともに、それを鑑賞サイズで眺めたときの密度感がたまりません。風景写真愛好家にPENTAXが愛用されている理由が理解できる気がします。

PENTAX K-1 Limited Silverから、間髪入れずにK-1 Mark IIを使用していますが、AFモードを動体追従のAF.Cにした際、さらには測距点のセレクト拡大にした時の反応が割と良くなったと感じています。

公式にも追従性能が向上したと言っていますが、どこがどうなったという情報は少なく。ただ、撮影中の感触は明らかにMark IIの方が良いと思ってます。

ヴェネチアにはカモメが多く飛び交っており、しきりにファインダーで追い回して撮影していました。

猫カフェでも使ってみた

こちらはK-1での撮影です。光が差し込んでいるからか、非常に澄んだ抜けのよい描写をしてくれています。線が細いからなのか、猫の毛のふんわり感が出ているような気がします。

光量不足の状況でも、ボディ内手ぶれ補正SRと高感度性能との組み合わせで、鬼に金棒かもしれません。

そんなこんなでとりとめもない説明でしたが、HD PENTAX-D FA 24-70mmF2.8ED SDM WRというレンズは、撮影中に高揚感を感じさせてくれるかというととても微妙ですが、後から撮影データを見返すと意外なほど良い仕事をしてくれている、そんなレンズです。

PENTAX好きの方々はFA Limitedレンズの“ハマるとすごい”描写に魅せられていることかと思いますが、外れることも多いのもまた事実。

このHD PENTAX-D FA 24-70mmF2.8ED SDM WRは、そんな不安定なホームランバッターと合わせて使うことで、安打を量産してくれる良い相棒になるのかもしれません。