今のところK-1、K-1 Mark IIのみであるPENTAXフルサイズ機で使用できる「超広角ズームレンズ」として唯一の選択肢がこのHD PENTAX-D FA 15-30mmF2.8ED SDM WR。
必然的にPENTAX フルサイズユーザーとしては避けて通れないレンズな訳ですが、スターレンズでもLimitedレンズでもない本レンズはあまり話題が多くなく。
以前に海外旅行には超広角ズームレンズをおすすめする記事(こちら)を紹介しましたが、本レンズも海外旅行で使用してきました。
その時の写真を交えて本レンズの魅力を語ってみたいと思います。
まずはその見た目のインパクト
どこかで見たことあるレンズと言われがちな本レンズですが、外観はしっかりとPENTAXらしい鏡筒デザインです。最新のPENTAXレンズらしくグリーンのリングが深い緑色となっており、渋みが増しました。ラバーのゴツゴツとしたパターンとともにPENTAX機材の無骨さを醸しているように思います。
一方で、繊細な外観イメージとなるK-1 Limited Silverに装着しても特に違和感はなく、むしろカッコ良いと思ってます。
K-1 Limited Silverもまだまだ使い込めているかは甚だ疑問ですが、5月21日からスタートした「K-1 アップグレードサービス」が混み合いすぎてすぐに手配できそうにないため、K-1 Mark IIを購入してしまいました。
ゆくゆくはK-1 Limited SilverもアップグレードでMark II相当にし、黒・銀の二台のMark II体制で行こうと思ってます。
今回紹介する写真はK-1 Mark IIで撮影したものとなります。
光を感じられる超広角ズームレンズ
大きな屈曲した前玉からわかる通り、逆光のシーンではゴーストが出たりもします。いきなり悪いとこからかい!と思われてしまうかもしれませんが、私は特に悪いイメージを持っていません。この手のレンズはこういうものです。
むしろ太陽が放つ光が写真自体に瑞々しさを与えてくれているように思うのです。
もちろん同じKマウントから前玉が飛びてておらず、フィルターも装着可能なF2.8通しの超広角ズームレンズも出ていれば、無難なそちらを選ぶ可能性もありますが。笑
でもこのレンズしか現状は選択肢はないわけで、それならばこのHD PENTAX-D FA 15-30mmF2.8ED SDM WRらしい表現を楽しむほうが良いです。
K-1 Mark IIは3600万画素のローパスフィルターレス仕様ですが、昨今では超高価画素というようには呼べないかもしれません。
ですが、PENTAXの絵作りは他社にはない先鋭感が感じられ、力強い色合いも合間って非常にインパクトのあるものとなります。PENTAXというとどちらかというと“自然風景”のイメージのほうが浸透していると思われますが、こういった建造物を撮影しても見るものがあります。
ヴェネチアの海辺の街もしっとりと描いてくれます。
この街の景観は“リアルレゾリューション”の超解像を伝えるのにとても良いと思われますが、残念ながら今回は対岸からの撮影はクルーズ船からとなりますので、移動によるブレが回避できません。残念ながらこの街は通常のK-1 Mark IIの解像力で勝負です。
日本家屋のような瓦屋根が特徴的なのが、アドリア海の真珠と呼ばれるドブロブニクの街。カスタムイメージ“雅”のクリアで深い青空との対比が美しいです。
K-1 Mark IIは今現在RAWイメージにAdobe製品が対応しておらず、RAW現像はボディ内RAW展開か、Digital Camera Utility5を使用する他ありません。
(RAWをPEFではなくDNGで撮影しておけば一応Lightroomにも読み込めます。が、Adobeのスタンダードなカメラプロアイルしか適用できないため、PENTAXらしさは微塵もない画像となってしまうのです)
ボディ内現像、Digital Camera Utility5出てくる絵は非常に素晴らしいのですが、今回旅行中に撮影した4000枚のデータを仕上げるにはちょいと骨が折れます。
結局今回はDigital Camera Utility5で一旦全てをJPEG展開して、Lightroomに取り込んで整理しておきました。撮影時の設定をちゃんと行なっていたため、あまり調整を必要としなかったのが功を奏しています。(RAW+でJPEGも同時記録しておけばなお楽でした)
ヴェネチアのブラーノ島の彩り豊かな街。カメラ内の仕上がり設定にある“ポップ”調のものを使うのはこれまでの写真生活の中で初めてかもしれません。PENTAXの場合はカスタムイメージの“ポップチューン”です。
他社のポップ調にはそれはもう毒々しいほどの彩度とコントラストがあり、絵としては破綻しているようなものばかりでした。このPENTAXの“ポップチューン”は一味違います。
こちらは連れと一緒に撮るため、人肌が黄色くならないよう通常のカスタムイメージに戻した写真。上の写真と比べるとインパクトに欠けて見えてしまいます。
その他の写真
35mm判フルサイズの15mmですから、非常にダイナミックな構図が可能です。ありきたりかもしれませんが、六本木ヒルズのモニュメントです。
前玉丸い系の超広角ズームレンズとしては以前にNikonAF-S NIKKOR 14-24mm F2.8G EDなんかも使用していましたが、望遠端が24mmと30mmではだいぶ使い勝手が違いますね。理想を言えば35mmくらいまでカバーしてくれるとなお良いのですが。
広角とはいえ、30mmで絞り開放で撮影するとこのようにそれなりにボカした写真も撮ることができます。
最短撮影距離が28cmとそこそこ迫れるのも撮っていて気持ちが良いところです。
広角で踏み込んで撮影すると、この写真のように花の密度感なんかが表現できて良いですね。
いかがでしょう?他に選ぶものがないから選ぶというのもありますが、このレンズ自体にしっかり向き合うと意外なほどしっくりとくる、高性能なレンズだと思います。私は個人的にとてもおすすめです。
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