SONY α9 ファーストインプレッション

レビュー

前回の記事でお伝えしたように、手持ちの機材をSONYに移行しました。

出かけついでに撮影した写真と機材についての紹介をしてみます。使い込めてはおりませんがファーストインプレッション的に所感だけでもお伝えできればと考えます。

FE 16-35mm F2.8 GM SEL1635GM


今回SONYシステムに移行する際にどうしても手に入れようと思った超広角ズームレンズ。私は超広角の範囲にあるような画角での撮影が苦手でして、旅行にでも行かない限りはドライボックスの肥やしにしてしまいがち。必ず持ってはいるんですが。

あえて出番の少ない広角域にコストをかけることによって、強迫観念によって超広角ズームレンズを積極的に使うようにしようというのがこのレンズチョイスの意図。

頑張って高性能なレンズを製造している方々に怒られそうな理由ですが。

いくつか出揃ったフルサイズ対応のFE超広角ズームレンズのうち、Zeissレンズでありながら比較的安価な「Vario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA OSS SEL1635Z」や、SONY純正システムで最広角となる「FE 12-24mm F4 G SEL1224G」もありますが、いずれも開放絞りがF4通し。F4通し自体は決して悪い性能ではなく、他のメーカーの製品においても高性能なレンズは多数です。

ただ、超広角が苦手なので出番を増やしてこれから積極的に使いたい、つまり「常用レンズ」として使うのであればやはりズームレンズならばF2.8通しがシャッタースピードの確保、感度の上昇の軽減、ボケ味など何かとメリットが多いものです。

  • 実写画像

こちらは栃木の日光方面に観光に行って撮影したSL。たまたま駅で居合わせて、撮影できそうなところまで線路沿いをダッシュして撮影したため住宅が入っていますが踏切のとことで結構近場から撮影できたため、広角レンズらしい迫力が出てくれました。

  • レンズフード取り付けイメージ

レンズフードもロック機構付き、全体的に高級感の漂う仕上げです。

  • サイズ感

フルサイズとはいえど、小型なミラーレス一眼のボディサイズにはやや大柄なレンズ。ですが、F2.8通しのフルサイズ用超広角ズームレンズでありながら重量は680gに抑えられおりますので、本体と合わせて特に重たすぎるという感覚はないです。

今までは散々フルサイズの一眼レフカメラを持ち出してましたから。この軽快感だけでもSONYシステムのメリットを享受できている気持ちになります。

Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA SEL55F18Z


続いて標準単焦点レンズ。懐の事情で「標準ズームレンズ」を手に入れられていないのもあり、とても出番の多い一本。一般的に普及価格の50mm F1.4のような標準単焦点レンズには、“ガウスタイプ”と呼ばれるレンズ構成のものが多く、開放絞りでは柔らかくベールを纏ったような描写、絞り込んでいくことで別のレンズのようにシャープネスが向上していくようなレンズが多いです。

「55mm F1.8」とやや特殊なこちらのレンズはどうかというと、135mmなどの大口径レンズにもみられる“ゾナータイプ”のレンズ構成。特徴としては開放からしっかりとしたコントラストを発揮します。このレンズ固有の特徴としては、開放でもしっかりと解像力が高く現代的な高性能レンズといった印象。これだけ高性能なレンズがここまで小型でそこそこの価格で手に入れられるのも、SONYユーザーの特権でしょう。

一つだけ弱点をあげるとすれば、最短撮影距離の長さ。「最短撮影距離50cm」というのは、平均値からすれば5〜10cmほど寄れないわけですが、撮影中には結構気になります。SONYのEマウントレンズには“距離指標”がないため、使用中のレンズの最短撮影距離を把握しておくというのが感覚頼りになるというのも影響するように考えてます。

とはいえ全体的に完成度の高い、SONY フルサイズEマウントカメラを使うのであれば絶対に所持しておいた方が良さそうな一品。

  • 実写画像

ローパスレス3,600万画素モデル、ローパスキャンセル5,000万画素モデルと使用してきましたが、α9は“ローパスあり”の2,400万画素モデルとしては非常に「よく写っている」という感じの画質です。一般的な被写体においては不満を感じることはないでしょう。むしろ何を撮っても安心感を得られる、手応えがあるカメラです。そういった点では、Nikonのフラッグシップの一桁モデル、CanonのEOS-1シリーズなどに近い万能さです。

これらの報道特化モデル(といってもフラッシュ撮影は得意なわけではないので、スポーツモデルですかね)は、「破綻しない安定した高画質」や「編集のいらない速報性」などが求められるでしょうから必然的に画質も研ぎ澄まされたカメラとなるのでしょう。

所沢の航空公園で撮影した紅葉。カメラ内の“クリエイティブスタイル”には「Autumn」という設定があり、その発色が気に入って撮影していたのですが、Lightroomに用意されているSONY用のプロファイルにはスタンダードなものしかなかったため引き継がれませんでした。EVFは設定値の反映が一つの売りなので、できるだけアウトプットも撮影時のイメージに近づけたいものです。とはいえ純正ソフトに今更戻る気もせず…。悩ましい。

最近は写真管理、現像、リモート撮影をそれぞれ担う純正ソフトがリリースされましたね。これもせめて一つのソフトにまとまっていればいいものを、ソフトウェア開発は難しいんでしょうね。

犬の被毛の柔らかさがしっかりと出るようなカメラとレンズだと感じました。イチョウは自分で乗せました、すみません。

最近のαシリーズのポイントでもある「瞳AF」を試すために撮影した一枚。帽子で目を隠したり、出したりを繰り返してもらいましたが、だいたい「手前の瞳」を認識しており非常に高性能だと感じました。だいたい、といったのは「手前」を認識しているかどうかのことであって、瞳自体は常に99%の確率で補足してくれていました。

αシリーズの中でもα9は特にこの性能が秀でているようですが、本当にすごい機能です。多くのみなさんがやられているように、ホイールキーの真ん中に「瞳AF」を割り当てることで非常にスムーズに撮影を行うことができます。

逆光でのAFをテストした一枚。正直言うと、逆光時だけは極端にAFがポンコツになるように感じました。NikonやCanonの一眼レフカメラも明らかに精度は落ちますが、Nikonは時間をかけて合わせてくるイメージが残っています。Canonはサーチ駆動して無理となれば諦めます。

SONYの逆光AFは決して高性能とは言えないようですが、フォーローをしてくれる良い機能があります。「押す間AF/MFコントロール」ですね。

「押す間AF/MFコントロール」

カスタムキーに割り当てて使用します。要は特定のボタンを押している間だけ「AF→MF」または「MF→AF」の切り替えをしてくれる設定です。

SONYは電子的にレンズのピントリングの同期をしておりますので、カメラ側のAF設定を「DMF」あるいは「MF」にしておかないとピントリングでのマニュアル操作は効きません。

私は“親指AF”を使用しないため、この「押す間AF/MFコントロール」をAF-0Nボタンに割り当てています。これによって逆光などのAFが苦手な時にはカメラのAF設定に関わらずボタン押しで「強制MF」の状態となります。

この設定の強みは、本来マニュアルでのピント操作が働かないAF-C(コンティニュアスAF)時にもボタン押しでマニュアルフォーカスが可能なことです。

そして、α9の強みの一つである「瞳AF」が作動するのはAF-C時のみです。すなわち、この設定を併用させることによってカメラ設定は常に「AF-C」、撮影中に「瞳AF」は真ん中ボタン押し、「MF」はAF-ONボタン押し、というように両立してシームレスに設定の変更が可能です。

(カスタムキーは自由度が高いので、ボタンはお好みに合わせて割り当ててください)

「MFアシスト」という、マニュアルフォーカス時にピントリングの操作をトリガーにして自動的にファインダー像を拡大する機能も併用することで、AFが苦手なシチュエーションでもいかようにでもなります。

こちらは家の寝室でノーフラッシュで撮影しました。窓から自然光が射していたのもありますが、光量不足のシーンでは濁った描写になりがちですが、α9は今までで一番好ましいトーンを見せてくれました。その他にも光量不足のシーンではFUJIFILMのXシリーズも発色に優れていますね。

  • レンズフード装着イメージ

サイズ感としてはこのレンズがベストマッチですね。常用レンズとしては最高のバランスです。

FE 85mm F1.8 SEL85F18


Carl Zeiss製の「Batis 85mm F1.8」や、G Masterシリーズの「FE 85mm F1.4 GM SEL85F14GM」など、高性能レンズがひしめく中で登場した純正の比較的安価なこのレンズ。

FE 85mm F1.4 GM SEL85F14GM

イメージ的に安っぽかったり、AFが遅かったりするのではと考えておりましたが、どちらも払拭してくれました。発売以降しばらくは人気すぎて常に品薄状態であったこのレンズですが、確かに理由は手にしてみればわかります。

開放から優れた解像力、AFスピードの速さ、意外と様になる前玉の大きなルックス、と非常に満足感の高いレンズです。

  • 実写画像

周辺部は口径食によってレモン型になりますが、ピント部分に甘さも一切なくそれでいて硬すぎない描写。

  • レンズフード装着イメージ

「85mm F1.8」という性能と取り回しの良いサイズ感は使用頻度を高めてくれそうです。何気にレンズに「AFストップ」や「瞳AF」が割り当てられるボタンまで備えています。

FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS SEL100400GM


スポーツカメラとしてのα9と共に登場したのがこのレンズ。この組み合わせのプロモーションをよく見ました。

私は今までは望遠ズームで高性能なものというと「70-200mm F2.8」を選ぶことが多かったのですが、たまたま最近見た「入間基地航空祭2017」を超望遠レンズを持っていないがために眺めて終わったことによって、こちらのレンズを選ぶきっかけを得ました。(買う理由なんていつもこじ付けですが…)

解像力が高く、α9の質感描写もなかなかなものです。

大柄なレンズだけあってまだそんなに使用していませんが、今後大いに活躍が期待できるレンズです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました