デジタル一眼レフカメラのアクセサリーとして、スピードライトに次いで重要なのが縦位置グリップ(バッテリーグリップ)。
今回は知ってるようで知らないこのアクセサリーについてまとめていきます。
○メリット① 縦位置撮影での安定性
通称“縦位置グリップ”の名前の通り、縦位置で構えた際の安定性がかなり向上します。
縦位置グリップ側にもカメラ本体と同様にレリーズボタンやダイヤル、最近のものでは測距点移動用のレバーも搭載されており、縦位置撮影時の操作性も格段に向上しております。
一般的な縦位置撮影の構え方
右の脇が大きく開いているため、しっかり接眼してホールドしなければブレが発生しやすい状態です。
縦位置グリップを装着した構え方
自撮り用にスマホからもう一台をレリーズしてからとっさに構えているため脇を締めきれていないのが気になりますが、こういった感じで通常の横位置で構えた場合と同様のホールドが可能です。
(三脚に載せた場合もレリーズがしやすい)
三脚に載せた場合はブレ防止の観点からもリモートケーブルなどを使う方がおすすめではありますが、手でレリーズする場合には真上にレリーズボタンがあった方が確実に操作性が高いです。
縦位置グリップをつけない場合はレリーズが横を向いてしまうため、レリーズするだけでストレスが生じます。
○メリット② バッテリーの持ちが良くなる
縦位置グリップ単体の恩恵ではないですが、バッテリーをプラス一本挿入できるようになるため長時間の撮影にはメリットがあります。当時間露光やインターバル撮影、動画撮影などには非常にメリットと言えます。
○メリット③ 小指が余らなくなるため、ホールド力が向上する
手のサイズにもよりますが、カメラのグリップから小指が余らなくなるため、ガッチリとグリップすることが可能になります。
○メリット④ 重量増により手ブレの抑制に繋がる
重量が増すことによってのメリットとしては、手ブレの軽減が挙げられます。
○メリット⑤ 重量級レンズや望遠レンズとのバランスが良くなる
重量級の大口径レンズや望遠レンズを装着した際には、どうしても重心がレンズよりになってしまいカメラを構える際に余計に重さを感じてしまうものです。縦位置グリップをつけることで全体的には重量増とはなってしまうもののバランスが良くなるため手持ちの撮影が快適になります。
×デメリット① 重たい…(当然ですが)
Canon EOS 5D Mark IV用の“バッテリーグリップ BG-E20”で388gの重量増
防塵防滴で作りもしっかりしているため、思ったより重いですね…。
さらにバッテリーをもう一本挿せるため重量増は465gへ
Really Right Staff製のLプレートを装着すると重量増はなんと696gへ
おお、どうりで重たい重たいわけだ。笑 ここまでくるともはやカメラ一台分に近い重量増です。
あえて電池は一本しか入れないという選択肢もあり
私はもともと腕力には自信がないため、バッテリーは一本しか入れていません。気休めながらこれで76g軽くなります。
×デメリット② 収納するカメラバッグがかなり制限される
私が普段愛用しているのはthinkTANKphoto(シンクタンクフォト)のエアポート・エッセンシャルズ
こちらのバックパックタイプのカメラバッグを愛用しています。シンプルでオールブラックの外観なので、あまり好みに左右されないのが良いかな、と。収納力も抜群です。
実際に背負ったところ
背負った時のサイズ感はこんな感じ。(筆者身長176cm程度)背面のポケットにも書籍や書類を詰めているためやや膨らんでおりまして、実際にはもう少しタイトに背負えます。
機材の収納力
このようにレンズうまく仕切りを調整すれば、レンズを装着したフルサイズ一眼レフカメラを2台に加え、さらにレンズ2本、スピードライトに小物も収納できます。普段使いはこれで全く問題ありません。
縦位置グリップを使うときには同メーカーの“ストリートウォーカーハードドライブ V2”
縦位置グリップを装着した状態ではかなりカメラの全高が高くなるため、そのまま収めるためにはカメラバッグはかなり絞られます。縦位置グリップ一体型デザインのNikon D5、Csnon EOS-1DX Mark II等、フラッグシップモデルのデジタル一眼レフカメラも同様のことが言えますね。グリップが脱着できないためより一層収納性には頭を悩ませるとも言えます。
実際に背負ったところ
同じく背負った時のサイズ感はこんな感じ。(筆者身長176cm程度)
かなり厚みがある上に高さもあるため、背負っていると知り合いには少し笑われます。人混みは余計に注意ですね、確実に邪魔になります。混み合った店内には入らない、電車の中ではちゃんと足元に下ろすなど、マナーをしっかり守らないと後ろ指を指されるレベルかも。
機材の収納力
それぞれ縦位置グリップ付きのCanon EOS 5D Mark IV、EOS 5DsRがすっぽりと収まります。
縦位置グリップ付き、もしくは一体型のフラッグシップモデルにレンズを装着した状態に加え、さらにレンズが3~4本、スピードライトも余裕を持って詰められます。逆に詰めすぎて腰をやられないように注意したいレベル。
仕切りを工夫すれば300mm F2.8(サンニッパ)などを装着したカメラに加えて、ズームレンズ2本程度も収納可能だそうな。
もちろんレンズを外せば収納力は多少増すものの…
ショルダーバックがメインの方たちは、レンズを外した状態で収納することが多いようですね。確かにそれなら問題はないんですが、私は個人的に取り出してすぐに撮影できる状態にしておきたいため、レンズを装着したままズボッと収納できるものから選んでおります。
○メリット⑥ でも、なんだかすごくカッコ良い
Canon EOS 5D 5D Mark IV+BG-E20、EOS 5DsR+BG-E11
重さ、嵩張る等のデメリットは当然気になるところです。が、しかし。
PENTAX K-3 Mark III+バッテリーグリップ D-BG8
PENTAX K-1 Mark II+バッテリーグリップ D-BG6
PENTAX K-1 Limited Silver+バッテリーグリップ D-BG6
FUJIFILM X-H2S+縦位置バッテリーグリップ VG-XH
SONY α9+縦位置グリップ VG-C3EM
Nikon D500+マルチパワーバッテリーパック MB-D17
この精悍かつケレン味のあるルックス。
Nikon D810+マルチパワーバッテリーパック MB-D12
重さを我慢してでも振り回したくなるのです….。(注 撮影中は意外なほど重さを感じません。きっとボディバランスが良くなるためでしょう)
Nikonのデジタル一眼レフカメラの一部では大型バッテリーの挿入で高速連写が可能になったり、FUJIFILM Xシリーズの一部のカメラではバッテリーを複数挿入することでブーストモードによりAF性能やレスポンスが向上したりもします。
そう言ったカメラ性能のパワーアップが可能なものだけではなく、縦位置グリップ自体の魅力をご紹介してみました。
確かに縦位置撮影での操作性、安定性は抜群に増す。でも大きくて重たくはなる。それ以外にも撮影に向かうモチベーションだったりを高めてくれることもこの“縦位置グリップ”の大きな魅力と言えるのではないでしょうか。
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