一眼用交換レンズのサードパーティーのうち、TAMRON(タムロン)といえば高倍率ズームレンズのパイオニアといったイメージがデジタル時代になってから根強いですね。
TAMRONがマクロレンズ以外では久々にリリースした単焦点レンズ“SP 35mm F1.8 Di VC USD“と、もう一点同時にリリースされた“SP 45mm F1.8 Di VC USD”については、話題としてはご存知でも実際に試された方は多くないのではないでしょうか?
実際に価格コムなんかのレビュー数も伸びず、思ったよりもウケてないのかな、と心配。
とはいえ最近のTAMRONレンズは一味も二味も違う。はず…。
というわけで一見は百聞にしかずということで実際に購入して使ってみました。
TAMRON SP 35mm F1.8 Di VC USD
大まかなコンセプトは5000万画素越えのカメラも出てきた高画素時代への対応と、F1.4の開放F値ではなくあえて“F1.8”としこの画角域の単焦点レンズとしては希少な“手ぶれ補正機構”を搭載したこと、従来の同等画角の単焦点レンズとは比べものにならないほどの最短撮影距離の短縮を実現。
寄ったり、引いたりといった使いこなしが前提の単焦点レンズにおいて“最短撮影距離”の短さは実際に撮影しているととてもわかりやすいアドバンテージとなります。
こう言って言葉で説明しただけでもかなり魅力的に聞こえると思うんですが、なんであんまり売れてなさそうなんでしょう。
まだ手元に来て時間も短いため、DXフォーマットのD500での撮影カットが多くほぼ“標準単焦点レンズ”としての使い方になっていますがそう言った用途にも抜群に向きますね。
実写画像
とりあえずこれらは家の近所で撮影したカット。季節外れですが、10月なのにまだ向日葵が。
このブログを書いている頃にはめっきり冷え込んで来て一気に冬の空気になってきました。
手振れ補正(VC)の効果
この程度の画角に手振れ補正や不要、というような声もよく聞きますが“あるに越したことはない”というのが率直な気持ち。
もちろん手振れ補正を組み込むことによって、突き詰めた光学性能についてはデメリットも生じ得るのでしょうが個人的には歩留まりの方が大事。
特に毎度整えた環境で撮影をするわけではないスナップ撮影では恩恵が大きいです。
上の写真、ただ新宿で会社帰りの信号待ちでなんとなく低速シャッターを試したものです。
1/10秒の手持ち撮影。めちゃくちゃカメラのホールドが上手い人ならどうにかなるの…か?はわからないですが、ご覧の通り電車だけをブラして撮影することが可能です。
これはスナップ撮影にも応用すれば写真に動感を添えるのに重用します。
夜間のスナップ撮影でできるだけカメラの感度を落として画質を保ちたい時なども有効ですね。
その他の写真
単焦点らしい端正な描写が光っています。使用したカメラボディ“D500”はローパスレス仕様と言えど2000万画素機なので、あまりキレのある画質とは感じていませんでした。
しかしラストの一枚の目元の解像力を見るにそれは杞憂のようです。
やはり画素ピッチに余裕のないAPS-Cのカメラにこそ、画質に優れたレンズを使ってあげることが重要なのだと再認識。
以前CanonのEOS 7Dが登場した頃にも、当時はAPS-C1600万画素全盛の時代であり他社APS-Cモデルよりもセンサーサイズが幾分小さいEOSでの1800万画素モデルはレンズを選ぶと言われていました。
現在はセンサーの性能も向上し、画像処理もより巧みになっておりますがこの辺りの、“レンズを選ぶ”という感覚はいまだに必要なようです。
コメント