HD PENTAX-D FA 70-200mmF2.8ED DC AWの思い出

レビュー

今回の記事は過去機材の振り返り編。​コロナウィルスの感染拡大防止のため、もうかれこれ一ヶ月は外出しておらず、「HD PENTAX-D FA 70-200mmF2.8ED DC AW」で撮影した自分の写真を見返してみることにしました。

きっかけはカメラ屋時代から更新を追いかけてきたHi (hisway306)さんのブログで、「HD PENTAX-D FA 70-200mmF2.8ED DC AW」についての真実が綴られたエントリをみて感激したことから。

https://blog2.hisway306.jp/pentax-dfa-star-70200mmf28-iizo

※注)私自身は、金欠で本レンズを手放してしまい、今は保有していません。無責任な元ユーザーの戯言ですので話半分にお読みください。(買い戻したい…)

世間一般的な「70-200mm F2.8」像

私はマウント放浪癖があるので、Nikon、Canonの70-200mm F2.8もいくつか使ってきました。

・AF-S VR Zoom Nikkor ED 70-200mm f/2.8G (IF)
初代70-200mm F2.8。Nikonのデジタル一眼レフにフルサイズモデル登場したことで、若干イメージサークルが不足しているかのような大きな周辺光量低下、周辺画質低下が取り沙汰された。ライトグレーが存在。

・AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8G ED VR II
2代目。初代モデルの周辺部の落ち込みを改善したが、今度は近距離で撮影倍率が低下することが取り沙汰される。カメラ屋時代の記憶ではなんとなく短命なイメージ。手振れ補正の性能がこの辺りからグッと上がった。

・AF-S NIKKOR 70-200mm f/2.8E FL ED VR
3代目。電磁絞りの採用で撮影ごとの露出制御を高精度化、さらに動体追従性能や手触れ補正の起動直後の補正力などをブラッシュアップ。隙のないレンズ。

・EF70-200mm F2.8L IS II USM
あんまり印象にない。笑 Canonのレンズはあんまり個性がないというか、その分優等生というか、ストレスがない分あまり思い出に残らない…。(適当ですみません…)

上記が現行製品の頃にそれぞれ使ってましたが、Canon、Nikon等の“70-200mm F2.8”クラスのレンズは万能で、どこかスポーティーなレンズです。

スポーティーというのはちょっと言葉が適切ではないかもしれませんが、こうイメージです。

・絞り開放から安定したシャープネス
・堅牢性に優れ、防塵防滴性能を有している
・快適な高速オートフォーカスで、動きものにも最適(屋内競技など)
・絞り開放では大きなボケが得られ、ポートレートなどにも向く(大きくて重いが)

SONYの70-200mm F2.8 G Masterなんかは自分で買って使ってはいないので色々言えないですが、最短撮影距離が0.95mとかなり短いため使い勝手に優れるのと、Canon、Nikonに比べるとオートフォーカスのスピードはややゆっくりしている印象。

一括りにしてしまうのは良くないですが、そもそも「大三元ズーム」というように呼ばれている大口径ズームレンズは、あらゆる状況において「この焦点域はこれ一本で十分」というような、潰しの効くシステムだと思ってます。

もちろんレンズをいくらでも持ち歩けるのであれば、色んな焦点距離の単焦点レンズを持ち歩くのも良いですが、あらゆる状況、シャッターチャンスに備えるという意味では大三元ズームレンズのシステムには見劣りします。(撮影シーン、イメージが明確である場合はその限りではない)

多くのプロや、ハイアマチュアの方々が使用する割合の高さもあって、そのように進化してきたのは自明です。

ではPENTAXの「HD PENTAX-D FA★70-200mmF2.8ED DC AW」はどうか

しばらく前にPENTAXの公式Facebookで取り上げた以下の投稿。

レンズ設計者:実はこの「HD PENTAX-D FA★70-200mmF2.8ED DC AW」には、桜や紅葉を撮影するのが好きな僕の好みをこっそり仕込んだ部分があり、それらの用途に向くような微妙な味付けをしています。 具体的には、開放でのシャープネスをとにかくカリカリに高めるのではなく、色収差(色にじみ)は極力抑えつつも少しソフトな風合いを残しています。特に近距離では、ソフトマクロ的に桜の花びらがふんわり写るような描写を盛り込みました 。 また、遠景ではF5.6~8程度に絞ったときにすっきりシャープに写るようにまとめています。

設計者の“好み”というような、現代のレンズ製品の商品企画では中々お目にかかることができなそうな言葉が…。それに「近距離では桜の花びらがふんわりソフトに写る」ような味付け。
普通そんなことする?というか可能なの??そんな味付けと個性を備えたレンズがPENTAXの70-200mm F2.8です。

実際に撮影をこなしまくっている諸兄は充分にご存知であるとは思いますが、このレンズ、ズームレンズ的な描写ではなく単焦点レンズのようなうっとりする描写をのぞかせることのあるレンズです。(無論のぞかせないこともあります)

やっぱりこういう被写体が素敵に撮れるレンズ

やはり桜を撮ってましたね。これは二年前(2018年)の新宿御苑ですね。強風で舞い散っている雰囲気を、カメラのデジタルフィルターのシェーディングを効かせてさらに寂しげに表現したつもりです。

  • Camera: PENTAX K-1
  • Focal length: 130mm
  • Aperture: ƒ/2.8
  • Shutter speed: 1/800s
  • ISO: 100

家の近所の西部線線路沿いの菜の花。

  • Camera: PENTAX K-1
  • Focal length: 200mm
  • Aperture: ƒ/4
  • Shutter speed: 1/400s
  • ISO: 100

会社の同僚と4人で撮影していた公園にあったすすき。

  • Camera: PENTAX K-1 Mark II
  • Focal length: 200mm
  • Aperture: ƒ/3.2
  • Shutter speed: 1/400s
  • ISO: 100

手前の木にピントを合わせて、後ろの屋根にたまった落ち葉にふわっと入るハイライトをやわらかく見せてみました。

露出はアンダー目に振って、カスタムイメージの詳細設定でキーをプラスにして中間調を持ち上げて撮影。ハイライトのぎらつきが抑えられ、しっとりした雰囲気に。

  • Camera: PENTAX K-1 Mark II
  • Focal length: 78mm
  • Aperture: ƒ/2.8
  • Shutter speed: 1/400s
  • ISO: 100

銀残しで渋く。

  • Camera: PENTAX K-1 Mark II
  • Focal length: 100mm
  • Aperture: ƒ/4.5
  • Shutter speed: 1/100s
  • ISO: 200

生き物も素敵に撮れるレンズ

AFの駆動は、馬力はあるけど駆動速度はそこそこのDCモーターなので、あんまり動きものをギュンギュン追いかけるようなレンズではないですが、単純な動き物が撮れないわけではありません。このように空を飛ぶわかりやすい被写体をうまく撮れなかったとしたら、少し腕を磨いたほうがいいかも…。

  • Camera: PENTAX K-1 Mark II
  • Focal length: 70mm
  • Aperture: ƒ/8
  • Shutter speed: 1/800s
  • ISO: 320

お昼寝中の猫ちゃんもいい感じに撮れます。前ボケになっている木の欄干もやわらかく溶け込んでいますね。

  • Camera: PENTAX K-1
  • Focal length: 200mm
  • Aperture: ƒ/5
  • Shutter speed: 1/200s
  • ISO: 400

こちらは外部フラッシュを使っていますが、毛並みの柔らかさが感じられていい感じ。

  • Camera: PENTAX K-1
  • Focal length: 200mm
  • Aperture: ƒ/2.8
  • Shutter speed: 1/125s
  • ISO: 125

シニアになってから心臓と肺を患って闘ってきましたが、2020年の年が明けて2日目に息を引き取ってしまいました…。今まで本当にありがとう、最高に愛おしいワンコでした。

  • Camera: PENTAX K-1
  • Focal length: 180mm
  • Aperture: ƒ/2.8
  • Shutter speed: 1/100s
  • ISO: 400

開放でふんわりとした描写はきっとポートレートにもすごく良いレンズなんですけど、腕力と体幹が弱いので構えてるのが辛いです。全然撮ってませんでした、すみません。

  • Camera: PENTAX K-1 Mark II
  • Focal length: 160mm
  • Aperture: ƒ/2.8
  • Shutter speed: 1/100s
  • ISO: 200

無機質な被写体はどう?

古びた感じの奥多摩にあるなにかの工場。(調べてすらない)

  • Camera: PENTAX K-1 Mark II
  • Focal length: 115mm
  • Aperture: ƒ/5
  • Shutter speed: 1/500s
  • ISO: 1600

銀残しで渋い色調にしつつ露出はアンダー目にして、上から光のあたっている部分をキーとコントラストを調整することで浮かび上がらせています。

  • Camera: PENTAX K-1 Mark II
  • Focal length: 123mm
  • Aperture: ƒ/4.5
  • Shutter speed: 1/800s
  • ISO: 200

こちらも先程ど同様の表現。写真家の瀬尾拓慶にレクチャーしていただいたのを生かして撮影してみてます。

  • Camera: PENTAX K-1 Mark II
  • Focal length: 70mm
  • Aperture: ƒ/4
  • Shutter speed: 1/2000s
  • ISO: 100

これも会社の同僚とお台場にガンダムを撮りに言ったときのやつですね。最近忙しくてみんなで撮影行けてないなぁ。さらに今は外にもでかけられない状況ですしね。

  • Camera: PENTAX K-1 Mark II
  • Focal length: 150mm
  • Aperture: ƒ/8
  • Shutter speed: 1/1.3s
  • ISO: 100

RAWで調整してますが、発光部からの光と下からのライティングなんかで結構難しい被写体だと思うんですが、CGのごとくうまく階調がつながっていて驚きました。

  • Camera: PENTAX K-1 Mark II
  • Focal length: 200mm
  • Aperture: ƒ/10
  • Shutter speed: 1/2s
  • ISO: 100

でもでかくて重い、すごく

とはいえ海外旅行にも持って行けます。私は身長177cmで体重52kgと非常に筋力不足ですが、大三元ズーム3本とK-1 Mark IIを持って9日間の新婚旅行を満喫できたので、大概の方は余裕で行けるはずです。

ああ、すごく買い戻したい…。

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