カメラは一眼レフ派の私。ミラーレス的な進化を突き詰めたカメラの性能を試すべく、SONY α9を一年半ほど使っていたものの、2019年9月に発売されたα7R IVになんとなく買い換えてしまいました。

色々書くまえに自分の中で結論は出ていますが、α9 IIのEVFがα7R IVと同じ576万ドット「UXGA OLED Tru-Finder」を搭載していれば、そっちがベストチョイスでした。
どうもSONYのEVFの撮影感覚が好きになれないんです。

もともと光学ファインダー派なので当然なんですが、NikonのZシリーズはα9や3世代目のα7シリーズと同様に369万ドットなのですが、光学系の違いと読み飛ばしの少ない高品質さからか見え味がかなり良いんですよね。
α9のEVFは遠景を撮影している時に、ものすごく小さな窓から映像を眺めているような感じがまだ拭えず、なんとなく撮影時の意欲が衰えます。(まぁ良いから撮れよって話なんですが。笑)

なのでグリップの大型化、メカシャッターでも10コマ/秒の連写で、よしきた!!!とはなったものの、EVFがα9→α9 IIで据え置きだったのが残念です。

今回の記事では、動態撮影向けの高速連写モデルα9から6100万画素の高精細画質モデルのα7R IVという、本来用途の異なるであるカメラへの買い換えについて、実際に感じたことをご紹介します。

デザイン

α9

α9はドライブとAFモードの切り替えダイヤルが付いていて、両肩にダイヤルがあるのは知られていますが、軍幹部のSONYロゴのある面の形が違います。(α7シリーズは単純な台形)

α7R IV

やっぱり両肩にダイヤルがないと、ちょっと寂しさを覚えるかも…。(それにわざわざ目立つ場所に4Kとか書かなくても良いし)

グリップ・ボタンの操作性

グリップ

グリップはPENTAX KP J limitedのように、うまいこと角度をつけることで小指余りを解消しながら大型化を果たしています。α9のグリップは握ったまま過ごすにはきつかった。

ですが、やっぱり物理的に大きな一眼レフカメラのそれに比べると、長時間握りっぱなしで移動することはしたくありません。

ボタン

α9やα7の第3世代までは突出量が少なく平たいボタンで、「プチッ」という押し心地のものでした。α7R IV(とα9 II)では、「ふかっ」としたストロークの深いボタンに変わりました。一眼レフカメラに多い操作部材の感触ですね。なんとなくこういう細かい部分で、本物感が少し増したのではないかと思います。

オートフォーカス

通常撮影

ちなみに、普通の撮影(静物や、あまり動きの大きくないもの)でのピントの歩留まりはα9≠α7R IVです。α7R IVもCanon EOS-1Dシリーズや、Nikon D一桁シリーズのような高性能な一眼レフカメラのから一歩進んだ精度で、大口径単焦点レンズを使用した際には大きな恩恵を感じますが、意外と甘かったな、なんてこともあります。
α9は95%ピント合ってます。α7R IVは74%くらいの印象。(数値は適当で体感ですが)

αのオートフォーカスはAF-Cモードが標準と思って使う

αのミラーレス一眼のAF-Sモードは、AF-Cモードに比べると明らかにサーチ駆動が目立つため、個人的には使わない方が良いと思ってます。AF-Cであればピント合わせ中は無駄な動きをせずに速やかに被写体に合焦しますが、AF-Sではウォブリングのような前後移動が割と発生します。

ですので私はAFモードはAF-C固定です。普段の撮影では「AF-C時の優先設定」をフォーカス優先にして、1コマ目が合焦するまではシャッターが切れないようにしています。
動き物を追いながら連写時はコマ速が低下する可能性があるため、バランス優先・あるいはレリーズ優先です。

AF-Cに設定していると、ピント拡大機能が無効になり使えないため、ボタンカスタマイズで、AF-ONボタンを「押す間AF/MFコントロール」に割り振っています。こうすることで、AF-ONボタンを押している間だけはMFに切り替わり、MFアシストでの自動拡大・ピーキング機能なども有効にできます。
(逆にカメラの設定をマニュアルフォーカスモードにしている時にはAF-ONボタンを押している間だけオートフォーカスが作動してくれ、理想的な使い分けが可能です。)

αシリーズのAFにいまいち信頼が置けない方は、ぜひ常時AF-Cを試してみてください。

縦線検出のみ?

ちなみにミラーレスでは像面位相差AFになってから、OLYMPUSのOM-D E-M1 Mark II、E-M1Xを以外ラインセンサー(縦線or横線検出)、クロスセンサー(縦線and横線検出)の記載がなくなっていると思いますが、SONYは縦線検出のみなのではと思います。

恐らく位相差検出の密度でほぼ解決できているとのことなのでしょうが、フレキシブルスポットSの測距点で細い網目などにピントを合わせようとすると、対応していない向きの線には合焦しづらいです。合焦してもフワフワと合ったり抜けたりを繰り返します。(そういう時は拡大フレキシブルスポットに切り替えて、測距エリアを拡大してあげると回避できます。)

ブツ撮り

ライティングを行うブツ撮りなど、照明を落として撮影するようなシーンではαは結構苦戦します。前述のAF-Sのポンコツさからイラっとしますので、基本的にAF-Cでの撮影を前提にした話です。

α9の場合:ファームウェア5.0以降はF16でもAF-Cで像面位相差AFが効くので、被写界深度を得るために絞り込んでもだいぶマシになりました。
α7R IVの場合:F8〜F11程度だとAF動作が結構もたつきます。暗所ですので精度も微妙です、検出できないことも多々あり。モデリングランプは必須です。
α9とは異なり、カメラ内の設定で「AF時の絞り駆動(静止画)」がありますので、これを「標準」(実絞りで深度プレビュー)から、「フォーカス優先」(レンズによるが、一定の絞りまでしか絞り込まず、レリーズの際に完全に絞りこむ)に切り替えてあげると、AF速度の問題は改善します。ただし、開放よりの絞り出ない場合にはレリーズ時に絞り駆動動作が発生することで、レリーズタイムラグが顕著に遅くなります。

正直なところ普通に絞り開放でAFを行う前提の一眼レフカメラの方がパフォーマンスがバラつかなくてストレスを感じないです。

動体追従(α9の強み)

ファインダーのブラックアウトフリーで60回/秒のAF演算を行なっているα9。ミラーの上下がないミラーレスの利点をさらに昇華させた凄まじいAFシステムです。その追従性能は、初めての被写体でもカメラ任せで追いきれるほど。(ミラーレス特有の外した時にふわふわする感じはありますが)

α9と他のα7シリーズのAF比較の動画などで、ワンショットで撮り続けて「ほぼ同等」とか、遜色ないようなことを言っているようなものも過去に見かけましたが、めっそうもないです。

α9のAFの強いところは、連続撮影を行なっている最中にもまるで最初の一コマ目を撮影しているかのようにAFの食いつきが良いことです。
α7シリーズは、連続撮影中のブラックアウトも発生しますし、60回/秒のAF演算は行えません。

α7R IVを始めとしたα7シリーズで、AF-Cで試しに連続撮影を行なってみると、カメラや被写体が大きく動くと意外なほど追従できずにズレてくることがあるはず。

1/32000秒の高速シャッター(α9の強み)

高速連写の影に隠れて忘れられてる?ような気がするのですが…α9シリーズの最高シャッタースピードは電子シャッター時の1/32000秒です。

これにより、開放絞りがF1.4等の大口径単焦点レンズを晴天屋外で使用したとしても、その他の1/8000がシャッター最高速のカメラと比べても2段絞りを開くことが可能です。ピーカンの日になかなかF1.4、F1.8などの開放で露出をオーバーにせずに撮影することは難しいという実感が多くの方にあるとは思いますが、2段開けられるとだいぶ世界が違います。

α9シリーズは電子シャッターメインの機種なので、その強みですね。

対して、α7R IVだけでなく最近のα7シリーズには「サイレント撮影モード」が搭載されてますが、基本的にはその名の通りサイレント撮影がメインの電子シャッターモードです。

α9ではシャッターのモードが切り替えできますので、それによって選択できるシャッタースピードに違いがあります。

■単写時
メカシャッター:1/8000-30秒 or バルブ
オート:1/32000-30秒 or バルブ
電子シャッター:1/32000-30秒

■連写時
メカシャッター:1/8000-30秒
オート時:1/32000-1/8秒
電子シャッター:1/32000-1/8秒

連写時はメカシャッターだと5コマ/秒と、α7 II並みの連写速度しかありませんので自ずと電子シャッター一択だと思います。
ちなみに「単写でオート」にしているときは、電子シャッターを利用するシャッタースピードでも、なぜかメカシャッターの駆動音がします。普段の撮影では、撮影のモチベーションを少しでも上げるために、メカシャッター音の聞こえるこの組み合わせで使ってました。

α9シリーズでは電子シャッターでの撮影がメインとされていて、電子シャッターを選択した際には電子シャッター音のオン/オフを行います。パフォーマンスは凄まじいんですが、この「チッッ」という電子シャッター音が撮影意欲を下げるのです…。(あくまで個人の見解です)

撮影画像から考える(α9編)

※この記事に掲載している写真は、クリックですべて拡大表示できます。

画質については、2400万画素でローパスフィルター搭載モデルのα9でも普段使いに全く問題は感じませんでした。以前に使用していた3000万画素(ローパスフィルターは搭載)のEOS 5D Mark IVなんかと比べても、画像のキレは良いくらいの印象。(だと思ってた)

スナップ的な撮影には不足なし
こういう雰囲気も出る
買った時はパサついた画質だと思っていたけど、大規模ファームアップ後に使うと艶が増した気がする
(でもそんな変更は明記されていないので気のせいかも)

ただ、EOS 5D Mark IVに、α9もそうでしたが、しっかりとしたライティングをしてのブツ撮り(カメラやレンズなどの製品カットなど)をする上では、なんというか金属の質感であったり、製品外装の細かなディテール、立体感を感じさせるハイライトのヌケなどが物足りなく感じました。ローパスの問題なのか、センサーの解像性能の問題なのか…。

うまくいかない例

なーんかこう、ノッペリ…。Limited Silverは縮緬塗装じゃないのでが質感が出しづらいのだとは思いますが。

こういう被写体を撮影する上では、ローパスレスの高精細モデルに軍配が上がります。
恐らく細かい微粒面を拾えるかどうかに差が出ているのだと思われます。

ライティングを追い込んで、ハマった時はきちんと質感が出ます。
左がメリハリが効いておらずノッペリ感が出ているケース。右はメリハリを効かせてうまく質感が出せたケース。

犬・猫に強い

犬や猫は被毛の柔らかさなどが重要であると思いますが、そういった質感は◎だと思いました。走り回っているところは撮りませんが、細かな動きを拾えるオートフォーカス性能も含めて相性が良いです。

人物にはなんら不満なし

人物撮影をする機会は多くありませんが、撮影中になんのストレスもなく撮影できて、あまり大きくいじらなくても素材として優秀な画が得られます。写りすぎない良さ?うーむ。とにかくちょうど良いです。

撮影画像から考える(α7R IV編)

細かい被写体をとった時の密度というかなんというか。やっぱり画素数が倍以上違う+ローパスレスの恩恵を感じます。また、何となく優しい描写のα9と比較して、硬調なイメージ。

基本はPENTAXのカメラばかり使っているので、まだ多くの撮影をこなしていませんが、まぁ人物撮影には相変わらず優秀。

Wi-Fiで無線テザー撮影ができるようになったので、素人の被写体でもMacのモニターを見せながら動いてもらい、楽に撮影することができました。

オートフォーカスの話題でもありますが、瞳AFも優秀です。前モデルのα7R IIIでは連写途中の追従具合はα9にはだいぶ及ばない印象でしたが、α7R IVでは極端な差を感じない仕上がりです。
シャッター切るだけになって撮っててあまり楽しくないので、あまり多用しませんが…。きっと日頃からポートレートを本格的にやる方からすれば、その分モデルさんのポーズやアングル、タイミングや光の加減なんかに意識を裂けて良いのでしょうね。

その他(機能)

画素数多いのでAPS-Cクロップが便利

クロップしても2600万画素残るので、最近のAPS-Cセンサー搭載機が中に入っているようなもんです。(という利点は感じながらもフル画素で撮っちゃいますけど)

α9は2400万画素だったので、クロップは使いませんでした。

ピクチャープロファイル対応

α9にはこれがなかったんです。ピクチャープロファイルというと、メーカーサイトでも「動画向けの設定」のように説明されていますが、静止画にも反映可能です。

静止画向けの「クリエイティブスタイル」というスタンダート、ビビット、ナチュラル、クリア、ライト、ディープ…といったプリセットも用意されていますが、カスタマイズできる項目がコントラスト彩度シャープネスのみと非常に使い勝手が悪いんです。しかもパラメーターの幅も大雑把。

想像できるのは「ピクチャープロファイル」の詳細設定の中にある動画向けのパラメータをいじって、いくつかのプリセットにしたのが「クリエイティブスタイル」なのでしょう。
(そう考えると、なんとなくビデオっぽいSONYの画作りも納得できるような)

元々が静止画向けの設計ではないために、PENTAXでいうところの「キー」、Nikonでいうところの「明るさ」のような中間光量のみを調整するようなことはできないのだと思います。

パラメーターには静止画では聞かないような項目が並んでおり、結構難しいです。
・ブラックレベル
・ガンマ
・ブラックガンマ

・ニー
・カラーモード

・彩度
・色相
・色の深さ
・ディテール

特筆すべきは、「ブラックレベル」をコントロールしてリフトシャドウ効果を与えることができる点と、「色の深さ」という項目でRGBCMYの色相毎に色の明るさを調整することが可能な点です。色々研究してみたいところ。
SONY/クリエイターズヘルプガイド ピクチャープロファイルとは

Log対応

正直Logで収録したデータを後からの編集でいい感じに持っていく力量がないので、あんまり恩恵は感じていません。どちらかというと、カメラ内での仕上がり設定にもっと幅が欲しいところ。

α7R IVを手にして

概ね自分の中の使い分けが明確になってきました。

・被写体こそが大事な撮影(家族・半仕事系)…SONYのミラーレス一眼
・自己表現がメインの撮影(カメラを持って気の向くままに写真を撮る)…PENTAXの一眼レフカメラ

まぁなんでも好きにすればいいじゃないって話ではありますが。