世界最小のスタジオライト Profoto A1

今一番手に入れるのが待ち遠しい製品がこちらのProfoto A1です。日本国内でも11月以降に出荷開始が予定されており、今非常に注目の高まっている撮影機材となります。

今回はこちらのA1について、タッチ&トライのイベント体験を交えて個人的にも発売までのテンションをさらに高めて見ようと思います。

 

Profoto(プロフォト)とは


Profotoは1968年にスウェーデンの首都ストックホルムで設立された“ライトシェーピングカンパニー”。

プロのカメラマンが利用するスタジオライトにおいて世界で7割のシェアを誇る、まさに“光を形作る”メーカーです。ここ数年ではジェネレーター・ヘッド分離型のストロボや、電源部一体型のいわゆるモノブロック(Profotoでいうモノライト)だけでなく、屋外などでのロケーション撮影に向けてバッテリータイプの「オフカメラフラッシュ」シリーズを充実させ、プロの仕事だけでなくアマチュアの方々の撮影表現への“こだわり”を作品へ昇華させています。

もちろん、優れたストロボ、HMIの定常光などのライト本体が優れているだけではライトシェーピングは成り立ちません。スクエア型でグリップを備えたレフ板「リフレクター」や、光の拡がりが期待できる一般的なシャロータイプに加えて、奥行きのある形状で指向性を強め、より正確な光のコントロールが可能なディープタイプのアンブレラ。さらにはあらゆるProfoto製品で利用可能な「RFi ソフトボックス」と、よりポータビリティーに優れたオフカメラフラッシュ専用の「OCFアクセサリー」など、Profotoの誇る豊富な“ライトシェーピングツール”がそれを支えています。

 

新製品“A1”の概要


 

・光が隅々まで行き渡る“ラウンドヘッド”仕様

クリップオンタイプのストロボと言えば長方形のヘッドが主流ですが、その配光特性はあまり褒められたものではありません。光のムラ、特にハイライトの形状がどうしてもヘッドの形に依存するため、何かしらのアクセサリーで光質を補ってあげるのが得策とされています。

その点Profoto A1はラウンドタイプのヘッドを採用しておりますので、中心部から周辺にかけて美しいグラデーションが期待できます。

さらにはクリップオンタイプのストロボ製品として必要な照射角のズームミングにもしっかりと対応をしています。何もアクセサリーを使用しない状態で32-105mm相当までの照射角に対応し、マグネットで簡単に装着できる「ワイドレンズ」を装着することで、14mm相当までカバーすることが可能です。もちろんマニュアルでの照射角指定だけでなく、レンズのズーミングに連動する“オートズーム”にも対応。照射角のズーム操作についても、従来のクリップオンと同様メニュー画面からの照射角指定だけなく、ヘッドの先端にあるリングを回すことによってさながらズームレンズを操作するように直感的な操作が可能なことも特徴です。

 

・充電式のリチウムイオンバッテリー駆動

従来のクリップオンタイプのストロボは単三電池駆動のものが大多数ですが、専用のリチウムイオンバッテリーを採用しています。スタジオライトとして出力表記は76Wsとしておりますが、光量的にはカメラメーカー製のスピードライトのハイエンドクラスと同等、あるいは少し上回る程度と言えます。その上でフル発光にて350回の発光に耐えうる容量を備えておりますので、十分どころか充実したバッテリーライフです。

 

・フル発光でもリサイクルタイム1.2秒の高速チャージ

フル発光時でわずか1.2秒のチャージ時間となり、光量を絞った際には最速で0.05秒の高速チャージが可能であり一切のストレスを感じさせません。

参考までに私が使用しているCanonの「600EX II-RT」はカメラメーカー製の最上位クラスとなりますが、チャージ時間は最長5.5秒〜0.1秒となっています。最長1.2秒〜0.05秒のA1のリサイクルタイムの優位性がよくわかりますね。

結婚式などでは画質重視でISO 100などの低感度で撮影を行っていると、TTL調光によってフル発光に近い出力に達することがよくあります。数発炊いたその後はしばらく発光ができない状態になるため、ロスを防ぐためにはカメラのISO感度を1〜2段高めにしておくことで、画質よりもシャッターチャンスに配慮するべきシーンと考えられていました。こういった点もA1を使用すればクリアできそうだと期待ができます。

また、HSS(ハイスピードシンクロ)にも対応しておりますので、屋外で日中シンクロを行う場合にも絞りを開けて撮影することが可能です。

 

・TTL調光からマニュアル調光へのシフトが可能

これはProtofoのTTL対応製品全般の利点でもありますが、TTL調光で試し打ちをした結果からそのままマニュアル調光にシフトして追い込んで行くことが可能です。

これは利便性の面で大きなメリットがありますが、なぜかカメラメーカー性のスピードライトにおいても対応している製品はありません。TTLで試し打ちができることで、露出計を使わずとも最初のワンカットをテストすることができ、任意のコントロールはマニュアルで0.1段刻みで行っていけます。

もちろんTTLにて撮りきることも可能でしょうが、複数灯を用いる場合には任意の光量バランスにするのがTTLでは逆に難しいので注意です。

 

・LEDモデリングライトの搭載

これはわかりやすい特徴です。スタジオライトとしての使命から、クリップオンタイプとしては貴重な“モデリングライト”が搭載されております。

LEDながら定常光や、自然光と区別がつくようにしっかりとタングステン調の暖色仕様です。

 

もちろん照射角のズーミングに合わせてきちんとモデリング範囲も変化します。常時使用しているともちろんバッテリーを食うため厳禁ですが、照射角のイメージやアクセサリー使用時の光の当たり方、複数灯でのアクセントライトの効果などを見極めるためにはとても有用です。

 

・AirRemoteTTL内蔵(送受信対応)

Profoto製品を横断して使用できる電波式の送受信に対応した「AirRemoteTTL」機能を内蔵。トランスミッター(コマンダー)機能、レシーブ(リモート)機能どちらにも対応できるため、A1を2灯使用したり、他のProfotoストロボ機材との併用でよりクリエイティブなライティングが可能。

本来は5万円以上する以下のAir RemoteTTLの機能がそっくりそのままクリップオンストロボと一体型になったというのがA1の特徴でもあります。もちろん、コマンダー機能のみに絞り発光をさせない設定も可能。

別売りのAirRemotoTTLをコマンダーとして使用し、A1をリモート発光させるシンプルなオフカメラライティングに加え、前述の通りB1X、 B2などのより光量、拡張性に飛んだProfoto製品と組み合わせてのライティングにもスムーズに対応できます。

このあたりも良いですね。今まではスピードライトも必ず携行しておりましたが、Profotoのライティングシステムだけであらゆる状況に対応できるようになります。

 

・マグネットで簡単に装着できる専用アクセサリー

マグネット式のアタッチメントを採用し、ワンタッチで付け外しができる専用アクセサリーが同時に登場します。しかもそのうち以下の3点は本体に同梱されてきます。

 

■同梱されているアクセサリー

・ワイドレンズ

いわゆるワイドパネルですが、従来のクリップオンストロボでは本体のヘッド部に内蔵されており、引き出して装着するような仕様でした。ラウンドヘッドの場合はこのようにワンタッチで着脱できるというのがとても良い工夫だと感じます。

 

・バウンスカード

こちらもクリップオンストロボでいう「キャッチライトパネル」を大型化したようなもの。

効果としてはヘッドを被写体に向けずにバウンス撮影をする際に、背面にあたる白色のパネルに一部反射させることで正面に照射する光を織りまぜるようなイメージ。つまり人物撮影であれば瞳にキャッチライトを入れたり、天井バウンスで生じがちな顎下の強い影を柔らげたりといった効果ですね。

さらにこちらのバウンスカードはそこそこの反射面積があるため、屋外でバウンスができない(つまり天井や壁がない)場合にも反射光を作ることが可能になるようです。

 

・ドームディフューザー

光を一旦透過させて180度拡散させるため、様々なことが期待できます。直射の場合もコントラストは高いながらもやや影のエッッジを弱めることができるでしょうし、あえて被写体から外した方向にヘッドを向けることでクリップオン(オンカメラ)の状態においても柔らかいフィルライトの効果も出せるでしょう。

 

■別売りアクセサリー

・ジェルキット

カラーフィルターも別売りで用意。初回で用意されるのはタングステン光源に対応するための色補正タイプのCTO(1/4、1/2、FULL)に加えて昔ながらの蛍光灯に対応するようなグリーンが一枚です。

今後は色補正だけでなく多彩なカラーフィルターが登場してきそうです。

 

・ソフトバウンス

こちらも期待できる効果としては先ほどの「バウンスカード」のより強力版といったところでしょうか。ヘッドを頭上に向けて発光させたとして、本来は天井から拡散されて降り注ぐイメージの光が正面に指向性を持って照射されることになります。とはいえ一旦このドーム状のソフトバウンス内で拡散されるため硬くない指向性のある光、つまりソフトボックスに近いイメージの光質と言えるでしょう。

メーカーHPの説明の通り、天井や壁の存在しないエリアでも柔らかい光を作るのにもとても有用です。

 

 

 

■重ね付けにも可能

バウンスカード+ドームディフューザーといったように、重ね付けで使用することにも配慮されており死角がありません。

今後のアクセサリー拡充によってさらに応用が効きそうですね。

 

 

2017年10月6日に行われたProfoto オープンスタジオに参加してきました


さてさて、今回こちらのA1について記事にしてみたのは執筆時点では昨日にあたる10月6日に八丁堀駅から徒歩圏内にあるProfotoの日本支社にて行われたオープンスタジオに行ってきたことがきっかけです。

今回はこの新製品A1が触れるだけでなく、一部:14:30〜/二部:16:30〜でProfotoの認定トレーナーの一人、河野鉄平さんの特別セミナーが開始されました。

私は二部に参加するためにお邪魔してきましたが、非常に大盛況。メーカー担当の方にお話を伺うに、一部は40名越えの参加者が集まりスペースに収まりきらなかったほどだそうで。注目度の高さが伺えますね。

 

河野さんは先月まで私が丸10年勤めていたカメラ屋のイベントにて一緒にお仕事させて頂いたこともあり、機材調達の相談もたまに頂いていたため転職のご挨拶もかねてお会いしたかったところでした。

今後についても応援のお言葉を頂け、11月からの新天地でも気合いを入れて頑張っていこうと思った次第です。前職のカメラ屋も引き続きご利用頂けているようで何より、ありがたいです。

 

セミナー終了後も参加者のみなさんの質問に応じる河野さん。隣ではモデル撮影が交代で行われており、非常に熱い場内でした。

セミナーの内容も先ほどご紹介したようなA1の特徴に加え、実際に撮影で使用した経験を用いてアクセサリーの説明を頂けとても参考になりました。

 

また、都度モデルさんを撮影して大型のモニターに表示して頂いていたため、とてもわかりやすかったです。言葉だけでは「ふむふむ…ん?」なことがあったとしても、撮影結果を並べて説明してもらえるととても理解が早いですね。

 

アンブレラディープ Mのトランスルーセント(透過タイプ)にバックパネルを使って大型のソフトボックスのように使用した例。電波式のトランスミッターで制御されるため、中にあるA1もしっかりとコントロールされています。

 

テスト撮影してみました


 Canon 600EX II-RTにて

 

Profoto A1にて

 

こちらはそれぞれ直射で撮影してみました。やはり光質が優れているとはいえ直射光というのは生っぽさが出てしまいます。

ただ、ここから照射角の変更やアクセサリーなども使用して直射光でもクイックに光質のコントロールができるところがA1の強みとなるでしょう。

直射ではCanonのスピードライトの方が意図せぬハイライトが鎖骨の辺りなどに出ている点も比べればわかりますね。

 

Profoto A1にて(天井バウンス)

こちらもアクセサリーは装着せずに天井バウンスで撮影しています。後から思い出しましたが、縦位置撮影で天井バウンスをする時には普通だとキャッチライトパネルは意味を成しませんよね。A1はマグネットで装着しているバウンスカードを正面に向けて回すだけなので、縦位置の天井バウンスでもキャッチライトが簡単に入れられるんですね…。使い忘れました。

 

Profoto A1にて(天井バウンス)

こちらは横位置での天井バウンス。近めで撮影すると、横位置撮影では光源であるクリップオンストロボのヘッドが被写体より上にくるため、顎下に強い影が生じます。

 

Profoto A1+バウンスカード(天井バウンス)

バウンスカードを装着するだけで顎下から首にかけて適度な陰影となりました。わかりやすく効果が出るアクセサリーに仕上がっております。

 

ポートレート自体が得意ではないので作例があまり参考にならないかもしれませんが、Profoto A1の魅力が伝わりましたでしょうか。10万円越えという価格に尻込みしている方もいらっしゃるのではと思いますが、性能と機能性を含めると個人的には納得の価格設定に思います。

私は買います。600EX II-RTを下取りに出して…。というか発表日にすでに予約済みなので発売開始が楽しみでしょうがないです。


以上、Profoto A1のご紹介とオープンスタジオでの体験でした。